第7回「連帯保証と身元保証」
中小企業の経営者は、どなたも、連帯保証でお悩みになったご経験があるでしょう。運転資金を借り入れるのにも個人保証を求められるのが通常です。
ただし、連帯保証は、債権回収の確実性を高めるためのツールとして上手に利用することもできます。
例えば、取引先の支払が遅れている場合など、現在額の確認と支払方法を「債務承認弁済契約書」などの書面として作成し、その際に、取引先の代表者等に連帯保証してもらうことが考えられます。
会社と経営者は法律上は別人格なので、本来ならば会社に対する債権を経営者個人に請求することはできないのですが、連帯保証契約をすることで、個人資産を債権回収の引き当てにできるということです。
ところで、連帯保証の「連帯」とは何でしょうか。法律上は、通常の「保証」と「連帯保証」は区別されています。
連帯保証の方が強力な保証です。
具体的には、ただの保証であれば、まずは主債務者に請求してくれという反論をすることができますが、連帯保証の場合、主債務者と同等の扱いになり、まずは主債務者に請求してくれという主張ができなくなるのです。
保証と言えば、従業員の採用などの場面で時折利用されるのが「身元保証」です。
身元保証とは、「この人はちゃんとした人です」ということに太鼓判を押すという意味ではありません。
「身元保証二関スル法律」という特別な法律があり、その法律の定めるところにより、従業員が使用者(雇用主)に損害を与えた場合、身元保証人に損害賠償を請求できるという法律です。
身元保証の期間は特に定めなければ3年であり、この期間を5年まで延ばすことができます。5年以上の期間を定めて身元保証契約を結んでも、5年間に短縮されてしまいます。契約更新はできますが、やはり期間は5年を超えることはできません。
また、損害全額を身元保証人に請求できるとは限らず、雇用主にも監督責任がある場合などは減額されることがあります。
しかしながら、多額の金銭を扱う業務などの場合、万一のトラブルを避けるために有効な契約と言えますので、取り入れるのに一考の価値があると思います。
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