熊本の弁護士トップ > 中小企業コラム 第5回「攻めの値引きと守りの値引き 〜トラブルを値引きで解決するな!」

第5回「攻めの値引きと守りの値引き 〜トラブルを値引きで解決するな!」


アベノミクスでインフレ期待が高まっているとは言え、価格競争・低価格路線が集客の重要な戦略の一つであるのには変わりありません。
競争を勝ち抜くための「攻めの値引き」は企業の成長戦略にとって極めて重要でしょう。

他方、企業を弱くする値引きもあります。それは「守りの値引き」、つまり、トラブルを値引きで解決することです。顧客からのクレームについ安易な値引きで対応していないでしょうか。
もちろん、法律的に見て落ち度があることであれば、値引きに応じなければならないことになりますし、また、納得の上で値引きして今後の改善につながるようなことであれば本当に「勉強代」になったと言えるでしょう。

しかし、不当なクレームに負けて値引きに応じてしまったというのであれば、それは何の実りもない「守りの値引き」ということになってしまいます。何の実りもないどころか、社員の方々が汗水垂らして1円1円積み上げてきた利益を一気に吹き飛ばすことになるのですから、そのマイナスは計り知れません。
もし不当なクレームによる値引き要求をされた場合は、相手が顧客であっても、経営者としては、断固として値引きを拒否して闘う意思を見せることが、社員の士気を上げるためにも必要です。
ただし、値引き要求にも一理ある場合は応じるべきところは応じる必要があるのかも知れません。要は、どこまでが正当な要求かということであり、その判断に際しては、弁護士と協議することが重要だと思います。

私の顧問先のある会社は、数十〜数百万円の価格帯の工事を業務としており、ささいなことにクレームを付けて、数万〜数十万円の値引きを要求する顧客が少なくありませんでした。

私が顧問に就任する前は、大抵は値引きで応じていたとのことで、まさに、社員の士気を下げる守りの値引き、悪い値引きだったということになります。

この「数万〜数十万円」という値引き要求額は、いちいち弁護士を探して、相談して、費用を支払って・・・ということを考えると、値引きに応じた方が楽ではないか?と思わせる金額です。もしこれが「数百万〜数千万の値引き要求」でしたら、弁護士費用なんか関係なくすぐに依頼されていたでしょう。

しかし、微妙な金額(とその経営者は考えておられた)ので、これまでは、弁護士に依頼していなかったとのことでした。
それがとある縁で私が顧問弁護士をお引き受けすることになりました。顧問弁護士は顧問料のみでご相談を何回でもお受けしますから、その会社は、ちょっとしたクレーム・値引き要求でも、気軽に私にご相談されるようになりました。

そうすると、値引き要求の大半が、全くか、少なくとも殆ど要求に応じなくてよいようなものだったのです。そのようにご説明すると、会社も安心してその顧客と話合いができます。相手の方になかなか納得してもらえないケースもありましたが、私の名前を出して「顧問弁護士に依頼する」と言ってもらえば、そこで相手も大抵は諦めて支払に応じてくれるとのことでした(それでも相手が引き下がらないならば、私が前面に出て交渉をすることになります)。

不当な要求に屈して「守りの値引き」をしないためにも、弁護士に気軽に相談できる関係を築いておくことが重要だと思います。

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