先日もブログで「離婚調停とは?」という記事を書きましたが,そこで引用した調査結果のとおり,年間25万件前後の離婚件数全体のうち,9割ほどは協議離婚です。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon10/01.html
この大半は弁護士が全く関与していない本人同士の協議による離婚と考えられます。
残り1割が調停を経ての離婚ですが,これも弁護士が関与しているケースはさほど多くないと思います。正確な統計は見あたりませんが,家裁の調停待合室で様子を見ていると,弁護士が付いているのは半分以下だと思われます。
つまり,離婚の殆どには弁護士が関与していないということです。
では,離婚の殆どは問題がなくすんなりいくケースなのでしょうか?
そうは思われません。実際に,離婚した後に,きちんと条件を決めていなかったり書類を作っていなかったことからトラブルになってご相談される方も多いです。
それに,私が登録している法律相談・弁護士紹介サイト「弁護士ドットコム」の,「みんなの法律相談」というコーナーのうち,相談カテゴリーごとの件数を見ると,「離婚」が圧倒的に多くなっています。
いまこの記事を書いている時点での離婚カテゴリーの相談件数は9872件と群を抜いています。
次に多いのが「不倫」の6201件,「子ども」3278件,「男女関係その他」3219件あたりで,これらも離婚問題と密接に関連していると思われます。(離婚関係だけで2万件以上の相談があるということですね)
その次に多いのが「借金」2119件,「消費者トラブルその他」2047件,「解雇退職」1708件,「職場その他」1741件,「人身事故」1225件あたりです。
こうしてみると,離婚の法律相談が群を抜いて多いのがよく分かります。
つまり,離婚は,皆さん非常にお悩みが多いジャンルなのです。だから,ネットで簡単に相談できるサイトでは気軽に相談され,件数も非常に多くなるのですが,なぜか実際に弁護士に法律相談するというところには至らないようなのです。
それはなぜでしょうか。ちょっと考えてみます。
・身内の問題なので,他人に言うのは恥ずかしい
・弁護士の敷居が高い,なんとなく費用が高そう
・弁護士に相談する方法が分からない
・弁護士に相談するほどのこととも思えない
などでしょうか。費用などの面は思ったほど高くないですし,法テラスの法律扶助などもありますし,まずは費用のご相談も含めて弁護士に相談されるべきだと思います。
離婚は非常に重要な問題ですし,自分だけでなく子どもさんの将来にも大きく関わります。
養育費がもらえないとか,親権者にふさわしくない方の親が子どもさんを引き取るようなことがあれば,非常に不幸です。
また,慰謝料や財産分与など,当然請求できる金銭は請求すべきです。権利ですから。
離婚でお悩みの方,具体的に離婚までは考えていないけれども関心があるという方など,どのような段階でも構いませんので,お気軽に弁護士にご相談頂けたらと思います。