【交通事故問題】自賠責保険料の値上げ
Posted : 2011年1月22日 12:13
| Author : 銀河法律事務所
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自動車を所有する際には,自賠責保険に加入することが法律で義務づけられています(ご承知だと思いますが)。
交通事故の際に,最低限の保障を行うための義務として加入している保険です。
この保険料が,今年の4月から,平均して約12%も値上げになると決まったと報道されています。
金融庁によれば,交通事故被害者の死亡・後遺症障害・傷害などに支払われる保険金の中でも,後遺症障害に対する支払いが予想以上に増えたために今回の改定になった,とのことです。
交通事故における後遺症とは,交通事故によって負った傷害を治療して,これ以上治らないという状態(症状固定と言います)にまで至ったとき,それでも残った症状のことを言います。
交通事故の損害賠償では,実は,この後遺症が残るかどうかで金額が大きく異なってくるのです。
(逆に言えば,後遺症とは,それだけ苦痛なものなのです。)
後遺症が残った場合,公的機関において,後遺症の等級(1級から14級までの等級に別れています。1級が最も重い。)というものを認定してもらいます。
その等級に応じ,後遺症慰謝料(後遺症が残ったことの精神的苦痛を賠償する慰謝料)と逸失利益(後遺症により労働能力が低下したことで,将来的に生ずる収入損失)とを算定することになります。これらの金額が非常に大きくなることが多いので,交通事故の示談交渉・訴訟において,争いの中心になることが多いのです。
(交通事故件数自体は増えていないのに)後遺症障害による支払いが増えたという理由は分かりませんが,いくつか想像できます。
ひとつめは,シートベルト普及等により死亡事故が減った代わりに,後遺症が残るケースが増えたということ。二つめは,高次脳機能障害など,以前は認められていなかった後遺症が,医学の進歩とともに認められるようになってきたこと。三つ目は,交通事故の損害賠償において弁護士に依頼するケースが増え,被害者本人と保険会社だけの示談で済まないケースが増えてきたこと,です。
最後の点ですが,弁護士が交渉や訴訟を引き受けると,実務慣習や裁判例等に従い,被害者に最大限に有利なように請求しますので,ご本人が示談交渉を行う場合より,相当程度高い金額の賠償を受けられるケースが多いです。
このように,個々の被害者の権利を最大限守ろうとすることで,運転者全体の保険料が上がってしまうことは皮肉といえば皮肉ですが・・。
もし,ご不幸にも交通事故に逢ってしまい,損害賠償請求で悩まれるようなことがあったら,迷わず弁護士にご相談下さい。
交通事故の際に,最低限の保障を行うための義務として加入している保険です。
この保険料が,今年の4月から,平均して約12%も値上げになると決まったと報道されています。
金融庁によれば,交通事故被害者の死亡・後遺症障害・傷害などに支払われる保険金の中でも,後遺症障害に対する支払いが予想以上に増えたために今回の改定になった,とのことです。
交通事故における後遺症とは,交通事故によって負った傷害を治療して,これ以上治らないという状態(症状固定と言います)にまで至ったとき,それでも残った症状のことを言います。
交通事故の損害賠償では,実は,この後遺症が残るかどうかで金額が大きく異なってくるのです。
(逆に言えば,後遺症とは,それだけ苦痛なものなのです。)
後遺症が残った場合,公的機関において,後遺症の等級(1級から14級までの等級に別れています。1級が最も重い。)というものを認定してもらいます。
その等級に応じ,後遺症慰謝料(後遺症が残ったことの精神的苦痛を賠償する慰謝料)と逸失利益(後遺症により労働能力が低下したことで,将来的に生ずる収入損失)とを算定することになります。これらの金額が非常に大きくなることが多いので,交通事故の示談交渉・訴訟において,争いの中心になることが多いのです。
(交通事故件数自体は増えていないのに)後遺症障害による支払いが増えたという理由は分かりませんが,いくつか想像できます。
ひとつめは,シートベルト普及等により死亡事故が減った代わりに,後遺症が残るケースが増えたということ。二つめは,高次脳機能障害など,以前は認められていなかった後遺症が,医学の進歩とともに認められるようになってきたこと。三つ目は,交通事故の損害賠償において弁護士に依頼するケースが増え,被害者本人と保険会社だけの示談で済まないケースが増えてきたこと,です。
最後の点ですが,弁護士が交渉や訴訟を引き受けると,実務慣習や裁判例等に従い,被害者に最大限に有利なように請求しますので,ご本人が示談交渉を行う場合より,相当程度高い金額の賠償を受けられるケースが多いです。
このように,個々の被害者の権利を最大限守ろうとすることで,運転者全体の保険料が上がってしまうことは皮肉といえば皮肉ですが・・。
もし,ご不幸にも交通事故に逢ってしまい,損害賠償請求で悩まれるようなことがあったら,迷わず弁護士にご相談下さい。