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2009年2月アーカイブ

貸金業界の盛衰

Posted : 2009年2月23日 11:50 | Author : 銀河法律事務所 | Category is |
今日,あのSFCGが民事再生手続を申請した。
SFCGという名前を知らなくとも,旧名「商工ファンド」と言えばご存じの方も多いだろう。
強引な取立により商工ローン全体のイメージが悪化したことと過払い請求の増加に加え,リーマンショックによる資金繰りの悪化が致命傷だったようだ。

(元)社長の大島健伸氏は一代で財を築き,2007年の米誌フォーブスによる大富豪ランキングでは資産10億ドルで世界891位にランクインしており,会社のサイト上に一代記を描いた<a href="http://www2.sfcg.jp/manga/">「天馬行空」</a>を連載していたほどの立志伝中の人物(?)だった。

数年前まではメガバンクが,その利益率の高さに目を付けて次々と消費者金融業者を子会社化するなど,隆盛を誇った業界だったが,衰えるのも早かった。

過払いと言えば,今年1月22日に最高裁がGJな判決を出してくださった。
継続的な金銭消費貸借契約(貸付・返済を枠内で繰返す取引)については,過払い金請求権の消滅時効は取引終了時から進行するという判断だ。
しかも,途中で一旦完済したときに生じていた過払い金は,それからしばらく経ったあとの貸付に充当されるとの判断だ。すなわち,よっぽどのことがない限り,ウン十年前からの取引であっても,しかも途中で空白期間があっても,その全体を一連の取引として過払い金を請求できるということになる。

この論点についてはこれまで貸金業者側と借り手側(過払い金返還請求者)とが鋭く対立し,いろいろな判決が出されて混乱していた点だ。

この判決のおかげで,過払い金返還請求は非常にやりやすくなると見込まれる。他方,貸金業者はなお一層厳しい経営を迫られることになるだろう。過払い金が返還できずに倒産する業者が続出するのではないかと懸念される。難しいところだ。
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ようやく今年初めての記事です

Posted : 2009年2月17日 11:50 | Author : 銀河法律事務所 | Category is |
今年初の書き込みです。
やはり一度サボるとサボり癖がついてしまってなかなか書き込めませんね。
というわけで今更ながら,あけましておめでとうございます。

今年もあっという間に一月半が過ぎましたが,この間にもますます目に見えて景気が悪くなってきました。
日本を支えてきた輸出産業が甚大な打撃を受けたため,その下に山の裾野のように広がる関連産業群が次々とダメージを受け,
さらにその影響で小売や外食等の内需産業まで不況の波が押し寄せてきています。
麻生首相は,日本は欧米に比べれば景気が底堅いと楽観的なことを言っていますが,連日報じられる「派遣切り」や「雇い止め」,正社員削減などの状況に注意を払っていればそのような言葉は出ないはずです。

このような急激な景気悪化に対し,一人1万2000円を配る給付金が現実的な効果を持つのでしょうか。非常に疑問です。
給付金総額の2兆円あればセーフティネットの拡充が十分できるのではないでしょうか。
安心して生活できる社会であってこそ,人はお金を使うのだと思いますが。
いつ解雇されるか分からない,失業手当の給付期間も短い,将来の年金もちゃんともらえるか分からない(下手すれば記録が改ざんされているかもしれない)・・・
そりゃあお金を使う気にもならないでしょうね。
経済とはお金が世の中を回ることなのですから,どうすればお金が回るのかを考えないといけない。
それは政治の役目なのです。
ところで,いま話題の「派遣切り」ですが,派遣というシステムがある以上,利益を追求することが至上命題である企業がこれを利用するのは当然のことでしょう。
もちろん,派遣先も権利を濫用するような使い方をしてはならないし,派遣元は雇用責任を十分果たさなければならないのはもちろんです。
しかし,そもそも某国や某経済団体の要請(圧力)で,雇用の流動化を推し進めるために派遣制度を解禁したのは政府なのですから,
政府は派遣を解禁する前に,社員の派遣というシステムが内包する危うさをあらかじめ認識した上で,
景気悪化の際に雇用の調整弁として派遣打ち切りが大量に行われることも予測して対応策を準備しておくべきなのです。
ところが今回の景気悪化で,政府がいざというときの対応を何も考えていなかったことが露わになりました。
このような無能な政府のもとでは安心してお金を使うこともできませんね。

さて今年は総選挙の年。
世の中が変わるかどうか,私たちの選択にかかっています。

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