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世界恐慌の断片(続き) 過払いのケースでも

Posted : 2008年11月 3日 11:36 | Author : 銀河法律事務所 | Category is |
先ほど某商工ローンの強引な債権回収の件を書き込んだあと,もう一度関連報道を一式ざっと読んでみたら,どうも過払いのケースでも強引に取り立てているようですね。
過払いというのは,読んで字の如く「払い過ぎ」になっていること。
え?借金が残っているんでしょ?それが払い過ぎってどういうこと? と思われる方もいるでしょうから簡単に説明します。

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通常,貸金業者からの借金には高い利息が付けられます。
その利息は,違法な金利水準に達していることが大半です。
違法と言っても犯罪ではありません。
ただ合法水準を超えた金利は無効になるだけです。
もう少しわかりやすく説明します。
金利を定める法律には2種類あります。
一つは利息制限法。元本の額に応じて15%(元本100万円以上),18%,20%(元本10万円未満)の制限金利が定められています。
もう一つは出資法(正確にはもうちょっと長い名前の法律です)。
年利29.2%以上の金利は違法=犯罪になると定めています。つまりヤミ金ということになります。(ただし日掛け金融という特殊な貸金業者のみ54.75%の金利が認められています)
通常,消費者金融(サラ金)・商工ローン・クレジットカードのキャッシングによる貸金には,20%台後半の金利が設定されていることが多いです(最近はそうでもなくなってきましたが。というのは,遠からず,出資法の上限金利が20%に引き下げられることが決定したので,これに先んじて利率を下げる業者が増えています)。
この場合,利率は合法か違法か,有効か無効か。
簡単に言うと,利息制限法の制限利率(15~20%)を超えた分については,違法かつ無効,つまり払う必要がないのであり,もしこの金利を払ったら,それは元本に充てたとみなすことができるのです。


つまり,貸金業者から請求されている毎月の支払額の中には,本来払わなくてもよい分が上乗せされており,その余計に払った金利分は,既に元本の一部として払ったことに出来るのです。そうすると,業者が現在の残債務額として示す金額は,違法金利を含めた金額ですので,合法金利のみで計算すると実際はそれより少ない金額の借金しか残っていないことになります。
取引期間(つまり借り始めてからの返済期間)が長くなると,合法金利で計算すれば,残債務が減るどころか,残っていないという状態になることがあります。それでも違法金利を上乗せした業者の請求額はまだ残っていることになりますので,業者の言うままに返済を続けると,(合法金利で計算すれば)借金は無くなっているのに,返済だけを続けているという状態になってしまうのです。
これは,業者に対して,支払う必要のないお金を支払っていることになります。つまり貯金しているのと同じような状態です。これを「過払い金」といい,払い過ぎたから返してくれと言って返金を求めることが出来るのです。
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同商工ローン会社は,このような過払いになっている相手に対しても,「残金が残っている(←合法金利なら残ってない),しかも延滞している(←でも本当は延滞してない)から今すぐ全部返せ」といって強引に返済を要求したようなのです。
でも,同社も過払いになっていることは分かっているはずです。このような方に対して強引な取り立てをすれば,借り主が困って弁護士に相談し,却って過払いになっていることが分かって,過払い金返還請求を受けることになるのに。やぶ蛇という奴ではないでしょうか。
それだけ同社も切羽詰まっていたのでしょうか。
このような状況を見ても,どん底状態の株価を見ても,あまり同社の先は長くないような気がします。

皆さんも,余計な金利を払っていないかどうか(過払いになっていないかどうか),お手元の借用書・明細書をご覧になって下さい。金利次第では残債務額を圧縮できたり,過払い金を取り返したりすることができますので,よかったらお気軽にご相談下さい。
また,貸金業者から納得いかない強引な取り立てを受けた場合,すぐに弁護士にご相談下さい。
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